本当は日本人になる資格はなかった…フィリピン人夫婦がわが子を「日本人」にした秘密の抜け道

https://news.yahoo.co.jp/articles/057d090a84ed6d02eee6106c167d73f58a04410f

田中さんは1998年、日本で暮らすフィリピン人の両親のもとに産まれた。母は興行ビザで来日し、ビザの期限が切れても、日本で働き続けた。父もビザを持っておらず、両親ともオーバーステイ状態での日本暮らしだった。

■母親が知り合いの日本人男性と偽装結婚した

 田中さんを妊娠し、ビザがないことに困った両親は、知り合いの日本人男性に相談に行った。するとその男性から、日本に合法的にいられるよう、自分と母親が偽装結婚することを提案された。

 母はその日本人男性の「田中」と結婚する。その後、田中さんが産まれ、法律上は母が結婚した日本人男性「田中」の戸籍に入り、日本国籍を得た。母親もビザを申請し、オーバーステイの身分から正規の在留資格を得ることができた。

母の偽装結婚相手の「田中」の記憶はあまりない。小さいころ何度か家に来ているのを覚えてはいる。良い人で優しいおじさんだったと記憶している。だが何を話したかまでは覚えておらず、法律上の父が家に来ると「あ、知らない人がきた」と緊張した。