楽天株の低迷で「減損リスク」浮上、750億円超 日本郵政に暗雲
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 日本郵政が、2年前に取得した楽天グループ株について750億円超の損失を計上するリスクが強まっている。楽天の株価が急落し、減損処理を迫られる水準を下回っているからだ。楽天の携帯事業での苦戦が、提携する日本郵政の経営も揺さぶっている。

 日本郵政は2021年3月、約1500億円を楽天に出資し、楽天株を1株1145円ほどで取得した。保有割合は8%を超え、大株主となった。株価は直後に一時1500円台に達したが、業績の悪化とともに下降。今年5月下旬に600円を下回り、6月27日の終値は473円台で年初来安値をつけた。

 企業の会計ルールでは、株式の時価が取得時の半値を下回り、回復の見込みがなければ減損処理をするのが決まりだ。損失額の見通しは出資金の半額を上回り、株価次第では800億円を超える恐れもある。

 楽天株が低迷する理由は、携帯事業の不振による業績の悪化だ。利用者が伸び悩むうえに基地局整備の投資がかさんだ影響で、22年12月期は3728億円の純損失を計上。今年5月には約3千億円の増資も発表した。

 日本郵政の増田寛也社長は6月27日の会見で、「株価の下落が相当大きく出ている。公表する事態になればルールにのっとって公表する」と述べた。(松本真弥)