ウクライナ軍は26日、ドネツク、ザポリージャ州境のリウノピリの集落を奪還したと発表した。ウクライナ側は、露本土と南部クリミアを結ぶ「陸の回廊」の遮断を狙っており、リウノピリはアゾフ海に面した港湾都市マリウポリやベルジャンシクを目指す「南ドネツク戦線」の進路にある。

 ザポリージャ州の露側幹部は27日、「南ドネツク戦線」でウクライナ軍の突破を許す可能性があるとSNSに投稿した。

 ウクライナ軍は南部ヘルソン州でも攻勢を強めている。米政策研究機関「戦争研究所」は26日、露軍が占拠するドニプロ川東岸に、ウクライナ軍が渡河作戦を始めたと分析した。昨年11月に爆破されたアントノフ大橋付近で、ウクライナ軍が 塹壕ざんごう を築き、露軍が押し戻せずにいるという。ウクライナ軍が東岸に 橋頭堡きょうとうほ を確保しようとしているとの見方も示した。カホフカ水力発電所ダムの決壊で水位が下がり、川を渡りやすくなったとみられる。SNSでは浮橋設置や露軍退避の情報も流れている。

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