シーズン開幕直後の4月、マウンドに立つ日本ハム・伊藤大海の姿は1カ月前と明らかに違った。雄叫びを挙げながら、打者をねじ伏せる。気迫あふれるピッチングが持ち味の右腕から、魂が抜け、抜け殻のようになっていた。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝の“陰の立役者”に、いったい何があったのか――。伊藤は、小学2年で野球を始めてから初めて味わう感情に襲われていたことを明かした。

「初めて野球したくないって一瞬、思いました。今までそんなことなかったんですけど…。何でやっているんだろうみたいな…。楽しくないのに、なんでやらないといけないんだろう。お金もらってやっているのに…難しかったですね」

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