おれは、でかい、ペットボトルの、焼酎を、買う、人間に、なっていた。
自らやべえと思う。なんでおれはアルコールが好きなのか。アルコールはおれが好きなのか。依存症を専門とする精神科医の松本俊彦氏はこう述べる。
断言しますが、人間はきわめて飽きっぽい動物です。どんな気持ちがよいもの、どんなおいしいもの、どんな面白いものでも、手を伸ばせばいつでも楽しめるものとなれば、ありがたみが減じ、あっという間に飽きてしまう――それが人間の性です。
おれは酒が気持ちよくて、おいしくて、面白い。しかし、あっという間に飽きるって?
思うに、彼らをその薬物に駆り立てているのは快感ではありません。というのも、快感ならばすぐに飽きるはずだからです。おそらくそれは快感ではなく、苦痛の緩和なのではないでしょうか? つまり、人は、かつて体験したことのない、めくるめく快感によって薬物にハマるのではなく、かねてよりずっと悩んできた苦痛が、その薬物によって一時的消える、弱まるからハマるのです。快感ならば飽きますが、苦痛の緩和は飽きません。それどころか、自分が自分であるために手放せないものになるはずです。
やべえ。快楽や快感ではなく、「苦痛の緩和」だって? あ、その自覚はある。酒を飲んでいるときだけ忘れられる。いや、競馬にのめり込んでいるときも忘れられる。
なに? 現実、現実の苦痛。おれの、誤った選択をしてきた人生の、その先に現前する、この底辺。この底辺の、独り身の、先行きのない人生の、苦痛。双極性障害という、根治がほとんど不可能な病気を背負ってしまった、苦痛。双極性障害のうつ状態がもたらす、強い倦怠感。
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