「生きるすべ」を身に付けよう=僧侶・西澤義博・74(滋賀県)

 先月、小型飛行機が南米コロンビアの密林に墜落した事故。13歳、9歳、4歳、1歳のきょうだいが約40日を生き延びて救助されたという。
このニュースを聞いて、生命力の強さに感動を覚えた。4人は、機内に残されたキャッサバ粉やジャングルの果実で露命をつないだそうだ。
日ごろから、食べ物の毒性など密林で生きるすべを身に付けていたからであろう。

 翻って日本に住む私たちはどうだろうか。例えば、大震災に遭遇して避難生活を余儀なくされる。
簡易トイレがすぐに使えないこともある。その時は野天で用を足すしかない。
でも、東日本大震災、阪神大震災などでトイレを含め、便利な生活に慣れた被災者が毎日の生活に困ったり、体を悪くしたりした事案がいくつもあった。

 「和式トイレの使い方を知らない子もいる」という話を聞いた。幼少期から非常時に「生きるすべ」を教えておく必要があると思う。

https://mainichi.jp/articles/20230627/ddm/005/070/003000c