https://news.yahoo.co.jp/articles/f66dc6089be469fba502e6d4082b831d81a575c2

グラフィックファシリテーションで課題発見、問題解決まで導く仕事術

会議や打ち合わせで「みんなが納得できる結論に至らない」「結論は出たものの、モヤモヤ感が残っている」といった悩みを抱いた経験を持つ人は少なくないでしょう。そんなときに視覚の効果を活かす「グラフィックレコーディング」で表現し、「グラフィックファシリテーション」で相互理解から本質的な問題を明らかにし共通のゴールへ導く方法があります。

そのメリットや方法、絵を描くのは苦手という人にもできるテクニックについて、グラフィックファシリテーター(R)として活動するやまざきゆにこさんにお話を伺いました。

グラフィックレコーディングとは
まずは「絵を使ったわかりやすさ」というメリットを活かし、ビジネスシーンに取り入れられている2つの手法「グラフィックレコーディング」と「グラフィックファシリテーション」の違いについて説明します。

グラフィックレコーディングとは、講演や会議などで話された内容を、紙やタブレットを使って手書きで絵と文字でリアルタイムに記録することをいいます。リアルな議論の場/オンライン、いずれの場面でも使われています。「伝えたいことがある人」のサポートをしているケースが多く見られます。

◆グラフィックレコーディングはどんな場面で使われるか

グラフィックレコーディングは、セミナーの登壇者や研修の講師などの話の内容をわかりやすく伝えるために活用することが一般的です。

また、多様なバックグラウンドの参加者が集まる会議で、グラフィックレコーディングで飛び交う意見を絵に見えるようにしていくことで、議論の流れを支える活用法もあります。

グラフィックレコーディングのメリット・デメリット
グラフィックレコーディングは、資格がなければなれない・できないというものではありません。絵はそもそも自由です。描き方も多種多様であっていい。ポイントは「何のために描くのか」という目的によって描き方が違ってきます。期待されるメリットとしては、次のような効果が挙げられます。

・要点がわかりやすい
・雰囲気や空気感、ニュアンスが伝わる
・見ていて楽しい
・全体像がつかみやすい
・その場で議論の振り返りに使える
・共通認識をつくりやすい
・記憶に残りやすい
・持ち帰れるものがある
・参加しなかった人も議論の様子がなんとなく分かる

会議の場で、絵は描かずとも、ホワイトボードに他のメンバーの発言を吹き出しにセリフとして表すだけでも、グラフィックレコーディングといえるでしょう。それくらい気軽にできるものです。

「描く目的」を明確することが大切です。見る側も心得ていて「分かった気にはなるけれど、自分なりに持ち帰るものもある」という見方をしている人もいます。描かれたものは「議事録」の役割も担っています。その場にいなかった第三者が後で見る場合も、文字だけの文書を読むよりも、気楽に読めることはメリットといえるでしょう。

一方、デメリットは「正確な議事録ではない」ことが挙げられます。発言内容をすべて拾いきれていないことが多く、議論のどこを抜粋するかは描き手によって変わります。