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スゴい人ばかりの会議は「フィジカルで勝つ」奥井奈南が語る“何も持たない弱者のファシリ力”
指定席平石さんはキャリアも技術もすごくある方じゃないですか。
でも私は、何の技術もない状態で番組MCになったんです。しかも相手は自分よりはるかにすごい人ばっかりで…
だから、まだキャリアが浅くて、目上の人がたくさんいる会議をファシる若い世代には参考になるかなと思ったんですよね。
たしかにはもともとモデルだから、MCのスキルとか教わってなかったわけですもんね。
『The UPDATE』はもう1人のメインMCが古坂大魔王さんなんですけど。古坂さんは“プロデューサー”としてすごい方なんで、めちゃくちゃ的確なアドバイスをたくさんもらって…今日はそのへんもお伝えできればと思ってます。
「おこがましいから、『参戦！』ってあんまり書かないでほしい…」と念押しされました。皆さんご理解ください
“弱者のファシリテート”は「フィジカルで勝つ」！…ってどういうこと？
まず、「ファシリテートはフィジカルから」ってことは伝えたいです。
私も、古坂さんから最初に「フィジカルが弱すぎて全然ダメ」って言われたんですよ…
なんでそんなサッカーみたいな指導を…
…会議でフィジカル関係あります？
「姿勢とか、座り方の時点で場に押し負けるかどうかが決まる」って言うんですよ。
のけぞって座ってると押し負けちゃうから、イスの前半分にお尻をのせるイメージ。
手はこうやって、必ず机の上に置く。それが“ファイティングポーズ”なんだと。
司会って口を動かしてればいいって思いがちだけど、知識と経験があるベテランに、若手のファシリテーターが勝てるのは「フィジカル」なんですよ。
なるほど…そもそもの“姿勢”が大事だと。
ほかにも、「第3の目で話す」っていうのもあって。
人間の目って普通2個だと思うんですけど…「ファシリテートがうまい人は、額に第3の目がついてる」って言うらしいんですよ。
これもフィジカルとか“姿勢”に関連する話で。
目でなんとなくモノを見てればいいんじゃなくて、「額の第3の目で、相手をとらえる」っていうふうに意識すると、自然と相手に正対できたり、真摯に聞く姿勢ができてたりするんです。
「ちゃんと聞いてます」っていうアピールになるから、相手からもよい話が引き出しやすい。
あと、声が通るようになるっていうメリットもありますね。
自分、姿勢悪いんで座り方気をつけます…
「ファシリテートは、じつは“不安がある若者”のほうが向いている」!?
あとこれは自分の話なんですけど…
ファシリテートって、“不安がある若者”のほうが向いてるなって思うんです。
不安…？
まず、自分に自信がなくて不安だからこそ、徹底的に準備する。これ、見にくいかもなんですけど私がいつも本番までに用意しているスプレッドシートで…
LinkedIn村上臣さんや正能茉優さんの経歴や「過去番組に出演したときのデータ」をメモしてるっぽい
経営学者・楠木建さんや産業医・大室正志さんへの「問い（質問したいこと）」をメモしてるっぽい
その人の持論も調べてるっぽい
これもしかして…出演する人のデータを全部まとめてるんですか…
やっっっば…
はい、毎回してます。これぐらいやらないと不安なんです。
古坂さんに聞いたんですけど、あのタモリさんも、本番前には裏でめちゃくちゃ準備してるんですって。
フラッと出てきて「髪切った？」って言ってると思ってました。
準備をすることで、“ファシリテートへの使命感”が生まれるんです。
まわりのすごい人に比べて能力は低かったとしても、情報量は私のほうが多いから、「この場をうまく回せるのは、自分しかいない！」って。
ファシリへの使命感をつくり出す。これはカッコいいですわ
あと、「何も持ってない“弱者”で将来が不安」なことによるメリットがもうひとつあって…
なんでしょう？
立てられる“問い”が切実になること。
「不安じゃない人から生まれる問い」と「不安な人から生まれる問い」って、違うと思うんですよ。
これは哲学だ…でもわかる
会社で会議をしてても、「お金があって、もうすぐ定年で、悠々自適で暮らせる」って人と、「これから成果を出さないと、キャリアも収入も大変なことになる」って人では、“どうすべきか？”っていう問いの切実さが全然違ってくると思うんです。
不安な人の問いにはパッションがあるし、「不安を解消したい」っていう気持ちがあって、それが発言に乗るんです。だから、議論に深みが出る。
それはたしかになあ
