市民感覚なき安保専門家が対話を閉ざす Re:で考える戦争と平和:朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASR6X46BMR6WULLI009.html
国際政治学者・三牧聖子さんへのインタビュー記事「『私たちは安全圏』は本当か 気楽な強硬論と権威が対話にふたをする」(5月10日配信)で、三牧さんは「私たちの安全保障は語られていますか?」と読者に問いかけました。寄せられた声をもとに、三牧さんがさらに考えを深掘りします。安全保障をめぐる、「Re:」。
その記事で三牧さんは、安全保障は、人びとの暮らしと直結する問題でありながら、得られる情報量が市民に比べて圧倒的に多い専門家による「専門知」の暴走が起きやすい分野であると指摘しました。メディアには、専門家が見落としがちな世論の懸念や不安をすくいとり、問題提起をする市民目線の報道がもっとほしいと提起しています。
(中略
異論や懸念を持つ市民に対して、専門知をふりかざして圧倒するような態度をとる人は、専門家とは呼べないのではないでしょうか。
専門家は国家や権力との関わり方も問われます。日本の国内外で危機や問題が山積する現在、どうしても市民に負担をお願いしなければならない局面はある。だからこそ、専門家は市民の痛みや苦しみに人一倍敏感でなければならない。市民にさまざまな負担を背負わせる政策が矢継ぎ早に成立する昨今の日本は、市民感覚を持たない「専門家」が幅を利かせているということなのかもしれません。
(後略