紆余曲折経て…ビーバーのコウコウ、2匹のパパに 茨城・かみね動物園

 かみね動物園(茨城県日立市宮田町)で飼育されているアメリカビーバー、のぞみ(雌3歳)が24日、赤ちゃん2匹を産んだ。
同園が29日に発表した。1957年の開園以来、同園では初めてのビーバーの出産となる。
赤ちゃんは2匹とも元気そうで、のぞみが授乳するなどしっかり面倒をみているという。性別は不明。

 2匹のパパとなったコウコウ(雄13歳)には紆余(うよ)曲折があった。

 コウコウは2010年5月に東武動物公園(埼玉県宮代町)で生まれ、13年5月にかみね動物園に移った。
14年10月にはパートナー候補として宇都宮動物園からモグモグを迎えたものの、繁殖の気配は見られなかった。
モグモグは21年5月に13歳で病死。担当者は打ち明ける。「死後解剖したところ、モグモグも雄だったことが分かりました」。
ビーバーは成獣でも外観から性別を判断するのが難しく、こうした誤認は起こりうるという。

 22年4月、千葉市動物公園からのぞみが来園した。
新ビーバー舎が建設中だったためコウコウとともに同園の獣医室で飼育されることになったが、
2匹はすぐに仲むつまじい様子だったという。

 「新ビーバー舎を整備することで繁殖しやすくなるかと期待していたが、まさか獣医室で子どもが生まれるとは」と喜ぶ生江信孝園長。
赤ちゃんのお披露目時期は未定だが「できれば8月ごろに新ビーバー舎へ移したい」と話した。【田内隆弘】

https://mainichi.jp/articles/20230629/k00/00m/040/156000c
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