ハーバード大の「レガシー入学」は違法、団体が米教育省に調査求める
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-03/RX8LPZDWLU6801?srnd=cojp-v2

米国の名門大学、ハーバード大学は卒業生と裕福な寄付者の子女を入学選考で優遇しており、こうした「レガシー入学」は連邦法に違反しているとマイノリティー団体が米教育省に苦情を申し立てた。数日前には米連邦最高裁判所が人種に基づく積極的差別是正措置(アファーマティブアクション)を違憲と判断している。

この長年にわたる慣行は、連邦政府の資金を受けるプログラムにおいて人種差別を禁じた1964年公民権法の規定に反すると、同グループは主張。そうした優遇措置の恩恵で入学した学生の約70%が白人だという。

「ハーバードは毎年、ほとんどが白人の何百人もの入学希望者に特別待遇を許しており、それは学生らの成果が理由ではなく、単に彼らの親族が成し得たことが理由だ」と訴えた。

ハーバード大学による寄付金や卒業生に関連した選考優遇について調査を求めるとともに、この慣行をやめなければ連邦政府からの資金を失うという宣言を教育省に求めた。また、選考過程において入学希望者が親族と大学の関係を「明かす手段をなくすよう」ハーバード大学に求めた。

米国の大学では人種差別的な入試慣行が何十年も続いた後、人種的な多様化を確保する策としてアファーマティブアクションが使われてきた。それに終止符を打つ最高裁判決が下されたことで波紋が広がっている。ハーバード大学はアファーマティブアクションの正当性を強く主張し、多様性を確保する他の方法を見つける意向を表明した。

ハーバード大学は、この苦情に関するコメントを控えた。