パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプで3日、イスラエル軍とパレスチナ武装勢力との間で激しい銃撃戦があった。
イスラエル軍は3日未明にドローン(無人機)による空爆を開始した。ここ数年で最も大規模な作戦の一つとみられる。
パレスチナ保健当局は、これまでにパレスチナ人9人が死亡し、100人がけがを負ったとしている。ドローン攻撃で死んだ3人は全員10代後半の若者とみられ、武装勢力に所属している人も含まれていたとされる。けが人のうち20人は重体だという。

イスラエル軍は、ジェニンで死亡したパレスチナ人は武装勢力の関係者だとし、ジェニンが「テロの隠れ家」になっている状況を食い止めるとしている。また、作戦中に武装勢力の約50人を拘束し、武器と弾薬を押収したとした。
作戦の終了時期については、イスラエル軍は具体的な予定はないと説明。「数時間後かもしれないし、数日後かもしれない」とした。
パレスチナ側は、イスラエルの軍事行動を戦争犯罪だと非難した。

ジェニンは、パレスチナ武装勢力の若い世代の拠点となっている。そうした世代は、パレスチナ自治政府の指導者の高齢化と、イスラエルによる占領地での規制に、根深い不満を抱えている。
イスラエル軍は、ジェニンにいるパレスチナ人がイスラエルを攻撃し、死者を出しているとして、ここ1年の間にジェニンを繰り返し襲撃している。ジェニンには、パレスチナの他の武装勢力も潜伏している。
2002年には、パレスチナの第2次インティファーダのさなか、イスラエル軍がジェニンに本格侵攻した。10日間にわたる激しい戦闘で、パレスチナの武装勢力と市民が少なくとも52人、イスラエル兵が23人死亡した。

https://www.bbc.com/japanese/66094165