兵庫県明石市の名産品と言えばタコ。

 名物「明石焼」(別名:玉子焼)にも欠かせない食材ですが、実はここ数年、記録的な不漁が続いており、値上げに踏み切る店も…。

 地元の名産を守るべく、明石市では新たな取り組みが始まっています。

明石市によると、2009年に約1400トンあったタコの漁獲量は徐々に減少しており、おととしは140トン、去年は少し持ち直したとはいえ170トンと、最盛期の1割ほどにとどまっています。

 釣り人が増えたという要因もある一方で、明石市が挙げているのは『海中の栄養不足』です。

 高度成長期以降、家庭や工場からの排水基準を国よりも厳しくした結果、海の水質が改善した一方で、植物プランクトンの餌となる栄養塩が大きく減少。タコの餌となるカニやエビにも影響しているとされています。

 対策として海底を堀りおこし、栄養塩を海水に混ぜるといった取り組みも行っていますが、すぐに成果は期待できないといいます。

 明石ダコの不漁は「明石焼」の価格にも影響を与えています。

 創業56年を迎えた『玉子焼てんしん』(兵庫・明石市)によると、明石ダコの仕入れ値は5~6年で1キロあたり1000~1500円値上がりしました。これを受けて、以前は550円で販売していた「名代玉子焼(15個入り)」を去年6月から630円に値上げしたということです。

このピンチを何としてでも食い止めようと、実は去年から新しい取り組みが始まっています。

 もともと兵庫県では、客が釣った100グラム以下のマダコは放流が義務付けられていますが、このルールとは別に、明石市の漁業関係者が新たな水産資源保護の取り組みを始めました。それが『タコマイレージ』。タコを持ち帰らずに放流すれば、1杯につき1ポイントがもらえ、ポイントは明石市内の協賛している飲食店で割引などが受けられるという仕組みです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5f19e615a2da60415e88a21835ab7ac91e593312