令和の短歌ブーム

 きょう7月6日は歌人の俵万智さんが詠んだ「サラダ記念日」である。
1987(昭和62)年に出版された歌集はベストセラーとなって短歌ブームを巻き起こしたが、今は「令和の短歌ブーム」が続いているという◆けん引しているのはSNS(交流サイト)を自在に使いこなす若い世代。
「三十一文字(みそひともじ)」の短さが短文での交流に適したSNSと相性がよく、親和性が高いそうだ。

自分と向き合う時間が増えたコロナ下の生活が背景にあり、投稿すれば作品を読んだ人の反応が返ってくる双方向の便利さもある◆古くから日本人は三十一文字の限られた中で言葉を選び、気持ちを伝えてきた。
農耕神事の場だった佐賀県西部の杵島山には春と秋に若い男女が集い、歌に思いを込める「歌垣」の行事があったとされる◆白石町は歌垣にちなみ、2000年から「三十一文字コンテスト」を続けている。
昨年は小学生、中学生、高校生、一般の4部門に、全国から約2900首の応募があった。24回目の今年は「愛」をテーマに、9月29日まで作品を募っている。

ブームに乗って、多くの短歌が「歌垣の里・白石」に集まればいい◆言葉の乱れが叫ばれて久しいが、若い人たちが伝統文化に興味を持ち、短歌作りに向き合うのはうれしくもある。
言葉を選び、磨いた時間はきっと心を豊かにしてくれる。(知)
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/1066736