対カラス「かかし効果」長くて1日 農業試験場がCDなど検証
カラスに対する「かかし効果」の継続時間は、長くても1日程度にとどまる──。
愛知県農業総合試験場と、カラス被害防止の対策製品を開発するクロウラボ(宇都宮市)は、目新しいものを警戒する「かかし効果」の継続時間を調べた。
警戒心をあおる「おどし」4種類で調べたところ、CDの効果が約26時間と最長だった一方で、効果が1時間に満たないものもあった。
カラス対策の難しさが改めて浮き彫りになり、同試験場は「おどしの位置や種類を小まめに変えることが重要」とした。
「かかし効果」は、おどしを設置した当初は追い払いに効果があるが、撤去せずに放置すると効果がなくなることが知られている。
同試験場は「これまでに効果が、どの程度続くか調べた例は少ない」(病害虫研究室)として調べた。
調査は2022年11、12月に同試験場内で行った。
おどしとして①ポリタンク②プラスチックポット③テグス④CD──の4種類を用意。
CDはテグスを通して設置した。カラスをおびき出すため、餌となるドッグフードを1日2回置き、
餌を置いてからカラスが飛来するまでの時間を、おどしごとに測定した。
カラスが行動する午前6時~午後5時に調べた。
その結果、CDをおどしにした場合、餌を置いてから飛来するまでの時間が26時間4分で最も長かった。
一方、テグスは1時間51分、ポリタンクは56分、プラスチックポットは45分だった。
「慣れさせないことが重要」
CDの「かかし効果」の継続時間が最も長い理由について、同試験場は「テグスとの相乗効果で不規則に動くことが要因になったのではないか」(同室)と分析。
「どんなおどしでも、設置したままだと長くても1日程度で効果が消えてしまう。
小まめに設置場所や、使うものを変えるなどして、カラスを慣れさせないことが重要だ」と指摘した。(木村薫)
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