「執念」ともいうべき写真にかける思い。撮り鉄の根底にあるのは「いい写真を撮りたい」という一念だ。
それ故普段は穏やかでも撮影となると暴走する撮り鉄は昔からいた。しかし昨今の傍若無人ぶり。
ここまで由々しき事態に発展したのはなぜか。

鉄道ジャーナリストの松本典久さん(68)は、鉄道用地や個人の私有地に立ち入ってはいけない、
鉄道沿線での撮影は公道あるいは公有地から行うなど「基本的ルールを知らない人が増えたから」と指摘する。

「かつては、鉄道会社や旅行会社の主催する撮影会に参加すると、鉄道の現場の方や随行員から危険に対する注意事項が指示された。
場合によっては、ヘルメットや安全帯の着用を義務付けられるケースもあった。
こうした経験の積み重ねで、危険に対する知識や撮影上のルール、マナーは身についた。
しかし、今はSNSなどで撮影ポイントや日時の情報だけが独り歩きし、マナーの継承ができなくなっていると思います」(松本さん)
https://dot.asahi.com/aera/2023070400030.html?page=1