ノートパソコンやサーバーなどを開発・販売する米国企業Purismは、新たにスマートフォン「Liberty Phone」を正式発表しました。

「Liberty Phone」は、ほとんどの部品が米国で作られた「オールMade in USA」が売り文句。
労働法や環境法などを遵守した米国内のサプライチェーンによる部品で製造されており、組み立ても米国内で行われるとのこと。
中国など他国で製造された部品を搭載した端末を使いたくない、米国の一部の愛国的な人に訴求できそうです。
かなりクセの強い端末であり、ツッコミどころが満載。
まず、本体価格は驚異の2199ドル(約31万4800円)。
参考までに、米国で販売されている内蔵ストレージ1TBのiPhone 14 Pro Maxの価格は1599ドル(約22万9000円)。色々な意味で破格ですね。

これだけ高価な端末ですから、スペックはiPhone 14 Pro Maxよりも良いと考えたいところですが、そうはいきません。
SoCには、クロック周波数最大1.5GHzで動作する4つのCortex-A53を備えたNXP i.XM 8Mを搭載。
このプロセッサーは6年前に、さらにCortex-A53コアは2012年に発表されたものです。
実行メモリは4GB、内蔵ストレージは128GB。解像度HD+(1440×720)の5.7型液晶ディスプレイを搭載。上下左右のベゼルはもちろん極太です。
カメラは、リアカメラが1300万画素、インカメラは800万画素。Bluetooth 4.0及びWi-Fi 4に準拠するほか、4500mAhのバッテリーを採用しています。
外部接続端子がUSB Type-C端子である点には少しホッとしました。

「Liberty Phone」は、Purism社が開発を続ける、Debianベースの「PureOS」を搭載。
PureOSは、セキュリティとプライバシーにとことんこだわったOSであり、個人情報保護に関する機能が充実しています。ただ、利用できるアプリの数は……。

値段やスペックを見る限り、「Made in USA」の札を外せば、あのバルミューダフォンをも軽く凌駕する激ヤバスマホであることは間違いありません。
ただ、特定の層による一定の需要があるのも確かであり、端末の良し悪しは別としても目の付け所は流石だなと感じました。

なお、Android Authorityによると、Purism社が過去に販売したスマートフォンLibrem 5を注文したユーザーの多くが、注文してから数年が経過しても届かないと報告しているとのこと。
また、注文の遅れに対する返金にも応じておらず、同誌は「絶対に買わないでください」と警告しています。
https://smhn.info/202307-purism-liberty-phone
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