「映画なんて時間の無駄」グザヴィエ・ドラン、監督を引退すると宣言。

34歳の映画監督は7月5日、スペインの「エル・パイス」紙に現在の心境を語り、引退を宣言した。
34歳のグザヴィエ・ドランは7月5日、スペインの「エル・バイス」紙のインタビューを受け、「映画も監督も」辞めると宣言した。この発言の裏には2022年11月にリリースされたTVドラマ『ロリエ・ゴドローと、あの夜のこと』が商業的に失敗したことがある。「プロジェクトに2年も費やした挙句、ほとんど誰にも見てもらえないなんて。もう気力も体力もない。あんなに頑張ったのにこんな失望を味わうとは。自分が監督としてダメなのか思ってしまう。そんなことはないとわかっていても」
報われなかったドラマ
批評家からは絶賛されたドラマが不発で終わったことに、グザヴィエ・ドランは相当失望したようだ。19歳で監督デビューしたケベック出身の監督はこのドラマがフランス、カナダ、日本、スペイン以外で売れなかったことをとりわけ残念がった。「どうしてそれ以外の国で誰も買わなかったんだろう。フランス語だからかな。それとも5エピソードしかないからかな」とぼやいた。
これまで8本の映画を撮り、これが初のTVドラマだった。2014年、『Mommy/マミー』で第67回カンヌ国際映画祭審査員賞を、その後、『たかが世界の終わり』で第69回カンヌ映画祭グランプリ等を受賞した監督は今回のTVドラマに投資した資金が回収できなかったことも嘆く。「このドラマで全然稼げなかった。自分の給与もつぎ込んで、父親から借金までしたのに。
報われないことに疲れてくじけた」とぶつぶつ言うと、「なにもかもが崩壊している世界でストーリーを語る意義」がわからない、「芸術なんてなんの役にも立たないし、映画なんて時間の無駄」と吐き捨てた。「一番手っ取り早いのはコマーシャルの仕事をして、田舎に家を建てることだ」と最後まで投げやりな態度だった。

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