米消費者が迫られる倹約、歯磨き粉など必需品も切り詰め-企業に逆風

-> 12日発表の6月CPI、21年3月以降で最も低い伸びの予想
-> 消費財メーカーや小売企業には厳しい局面が到来へ3

米消費者の間で衛生用品などに対する倹約志向が広がっており、米経済や消費者関連企業の業績にとって不安材料となりそうだ。

  米国ではインフレ高進にもかかわらず、所得増加や政府の景気刺激策を受けて消費者は支出を続けてきた。しかし、こうした追い風は弱まりつつあり、今やトイレットペーパーや歯磨き粉といった日用品でさえ節約傾向が見られる。12日に発表される6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.1%上昇と、2021年3月以降で最も低い伸びが予想されている。

米CPI、21年以降で最も低い伸びか-コア高止まり利上げ再開へ (1)

  モーニングスターのアナリスト、エリン・ラッシュ氏は「消費者にかかる負担はここ数カ月でさらに深刻化している」と指摘。食料支援プログラムの減少や税金還付の縮小、余剰貯蓄の使い果たしなどが影響していると述べた。

  イリノイ州オークパークで2人の娘を育てるシングルマザーのホリー・アーネストさん(48)は最近、家賃の値上げが迫っていることもあり、シェービングクリームを買うのを諦めて石けんで代用することにし、歯磨き粉や保湿剤も安価な製品に乗り換えた。

  「それが現実だと受け入れただけだ」と、法律事務所でイベントコーディネーターとして働くアーネストさんは語る。  

  5月の米個人消費支出(PCE)統計では、インフレが鈍化し、消費支出は実質ベースでほぼ横ばいにとどまった。

米PCE価格指数の伸び鈍化、実質消費は横ばい-景気失速を示唆 (2)

  米小売店での購買動向を調査しているNIQによると、歯磨き粉や洗濯用洗剤、トイレットペーパーの販売数量は6月24日までの52週間で約3-4%減少した。

  数週間後に直近の四半期決算を発表する消費財メーカーや小売企業にとって、今年下期の見通しは厳しいものになりそうだ。こうした企...

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https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-11/RXMZMPT0G1KW01