米サンフランシスコの連邦地方裁判所は11日、米マイクロソフトによるゲーム大手アクティビジョン・ブリザード買収を巡る連邦取引委員会(FTC)の仮差し止め請求を退けた。

買収を認めないとしていた英当局も同日、マイクロソフトによる反トラスト法上の懸念解消に向けた提案を検討する用意があると発表。反対の立場を見直す可能性を示唆した。

米株式市場で、アクティビジョンの株価は10%超急伸。マイクロソフトは0.2%高で取引を終えた。

マイクロソフトは昨年、人気ゲーム「コール・オブ・デューティ」で知られるアクティビジョンを687億ドルで買収する計画を発表。FTCが差し止めを求めて提訴したほか、英国の独占禁止法当局である競争・市場庁(CMA)は今年4月、買収を阻止すると発表した。

米連邦地裁は、買収によってゲーム機メーカーであるマイクロソフトがアクティビジョンのゲームソフトに独占的にアクセスできるようになり、消費者の不利益になるとしたFTCの主張を退けた。

FTCは14日までに控訴できる。

FTCのダグラス・ファーラー報道官は「この合併がクラウドゲームやサブスクリプション(定額課金)サービス、ゲーム機における自由な競争にもたらす明確な脅威を踏まえると、結果には失望している」と述べた。その上で「競争を維持し消費者を保護する闘いを続けるため、今後数日内に次のステップを発表する」とした。

マイクロソフトのブラッド・スミス社長は「迅速かつ徹底した」判決に感謝するとコメント。また、今後の焦点は
CMAの懸念に対処するために取引をどのように修正できるか検討することだとツイートした。

DAダビッドソンのアナリスト、フランコ・グランダ氏は「マイクロソフトとCMAは向こう数週間内にも合意をまとめる可能性がありそうだ」と指摘した。

https://jp.reuters.com/article/idJPKBN2YR1FW