初夏、インフルが学校で猛威 「マスク生活」で免疫弱る
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/1095977/

「マスク生活で免疫が落ちる」に根拠なし

先日、ある新聞が、現在のインフルエンザの流行は「コロナ禍のマスク生活で、インフルへの免疫が一斉に落ちたことが原因だ」と断じ、
「専門家は『子供にとって怖いのはコロナよりインフル。心配な人はワクチンを打ってほしい』と話す」と書きました。
この記事は、さまざまな箇所が間違っています。

まず、この季節にインフルエンザワクチンを接種できる医療機関は、ほぼありません。
インフルエンザは、通常12月から翌年の2月ごろに流行する感染症です。
そしてインフルエンザワクチンは、WHO(世界保健機関)が次シーズンにはどの型が流行するかをが予測し、それに基づいて各製薬会社が秋までに製造します。
そうして各医療機関に供給されたワクチンは、毎年10〜12月ごろに接種され、残ったら春までに返品されるのです。

次に「マスク生活で、インフルへの免疫が一斉に落ちた」というのは、どういう意味でしょうか?
インフルエンザに対する抗体を全員が持っていたのに、マスクが習慣になったせいで一斉に減少したということでしょうか?
この記事を書いた記者は、実際の抗体検査の結果などの根拠を示していません。
インフルエンザが増えた理由が、免疫の低下にあるとは到底いえるはずがないでしょう。
https://president.jp/articles/-/71384