スイス映画「マッド・ハイジ」の公開前夜祭が本日7月13日にヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、監督のヨハネス・ハートマンとサンドロ・クロプシュタイン、エグゼクティブプロデューサーのスコット・ペディゴが登壇した。 

ヨハンナ・シュピリの児童書「アルプスの少女ハイジ」を“B級エログロバイオレンス”にアレンジした本作。愛するペーターと家族を失ったハイジが、邪悪な独裁者を血祭りに上げ、母国解放のために奮闘するさまが描かれる。1974年のテレビアニメ版のシーンを再現するなど日本へのリスペクトも随所に感じられる仕上がりだが、全編通して過激な描写が繰り広げられるため、日本ではR18+指定を受けた。

アニメ版「アルプスの少女ハイジ」の制作に宮崎駿も参加していたことは有名だが、奇しくも明日7月14日は宮崎が監督したスタジオジブリの新作「君たちはどう生きるか」と「マッド・ハイジ」両作品の公開日。宮崎へのメッセージを求められたクロプシュタインは「宮崎監督がスイスのハイジというキャラクターを日本から“逆紹介”してくださったことをうれしく思うと同時に、ありがとうと伝えたい」「新作が成功しますように」とエールを送り、ハートマンも「ぜひ『マッド・ハイジ』を観てください」と呼びかけた。

熱狂的な日本のファンたちに歓迎され、ハートマンは「アニメを通して根強い伝統がある作品ですので、皆さんのお気に召すことを祈っています」と口にする。クロプシュタインは、このようなバイオレンスムービーに仕上げた理由を「スイスは平穏で秩序立った国というイメージがあると思いますが、それを真っ逆さまにして、一番クレイジー足り得る姿で見せたかったのです」と説明し、笑顔を向けた。

日本人にとって「アルプスの少女ハイジ」はアニメ版を通してよく知られている。それはスイス国民にとっても同様だそうで、ハートマンは「スイスの子供たちはアニメで初めて『ハイジ』に触れますが、ドイツ語の吹替なので、ドイツかオーストリアで作られたのだとみんな思い込んでいます。その後、実写版を観たりして徐々になじんでいくわけです」と語る。ペディゴが「スイスでは、アニメ版ハイジの絵柄のストリートアートをたくさん見かけますよ」と付け加えると、観客から驚きの声が漏れた。

「マッド・ハイジ」は、明日7月14日にヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館、池袋シネマ・ロサほか全国で公開。

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