ただ、たとえOSOがエゾジカの死骸を口にしたとしても、そこから一足跳びに牧場の牛を襲うことにはならないはずだ。本来クマが警戒するはずの人間が生活を営む牧場までOSOを引き寄せる「誘因」となったものは何なのか?
藤本は「恐らくデントコーン(牛や豚など家畜のエサとなる飼料用トウモロコシ)でしょう」と指摘する。輸入飼料の高騰などの影響を受け、近年道内で作付け面積が増加し続けているデントコーンは、山に木の実が乏しくなる夏の間、ヒグマにとって大変魅力的なエサとなっている。
道内におけるヒグマによるデントコーンの食害被害額は、2010年度の7800万円から2020年度は1億3700万円と70%増加している(「北海道新聞デジタル」2022年10月1日付)。
「デントコーン畑に入ったクマといったら、ひでぇもんだよ」と赤石。
「あたりのデントコーンをなぎ倒して、寝そべりながらものすごい量を食うんだ。よっぽどうまいんだろう。ゲロ吐きながらでも食うからね。すごいよ。食いながらウンコも垂れ流しで、“直行便”みたいなもんさ。それも一番甘いところだけ食うからね。農家からすればたまったもんじゃねえべさ」
「牛殺し」のイメージの強いOSOも実はデントコーンが大好物だという。
実際に昨年9月、OSOはオソツベツのデントコーン畑に現れている。定点カメラに「左尻に2本線の傷」を持つクマの姿が映っていたのである。
「その映像を見る限り、この身体でこんなに食ったらまともに歩けねえべや、というぐらい食ってるね。そういう意味では、OSOはものすごいデブですよ(笑)」(藤本)
https://news.yahoo.co.jp/articles/826dd390fe21a58d25374ce26fdd259fe45c54b8?page=2
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