沖縄のアメリカ人はなぜ「ココイチ」が好きなのか 本島中部でよく目にするあの光景のナゾに迫った
「なぜアメリカ人はこんなにココイチが好きなのか」。沖縄本島の中でも米軍関係者が多く住む中部地域の担当記者である私は、普段、ココイチの店舗やその周辺が外国人で混み合っている光景を目にする度に不思議に思っていた。
ココイチは愛知県一宮市に本社を置く壱番屋が展開する「カレーハウスCoCo壱番屋」(以下、ココイチ)。言わずと知れたカレーの大手チェーンだ。沖縄県内には14店舗があるが、北谷町など本島中部地域にある店舗の駐車場は常に米軍関係者の車両「Yナンバー」でいっぱいだ。
「うちの店、全国一忙しいってよ」。記者は、かつて北谷町内のココイチでアルバイトをしていた友人の言葉を思い出した。ネット上には、ココイチの全国売上高トップ3全てが沖縄の店舗との情報も出回っている。そこで真相を確かめるべく取材を始めた。
(石井恵理菜)
ランキング「非公表」、しかし
本当に上位3店舗は沖縄の店舗なのか。壱番屋の広報担当者にオンラインで取材した。
「残念ながら最新の売上高ランキングは公表できません」
広報によると、今年からランキングを公表しないことに決まったという。
「店舗によって席数はバラバラで、ウナギの寝床のように細い都心の店舗から、沖縄のような大きいボックス席のある店舗などかなり幅があります。順番に並べることはできますが、あまり意味がないランキングなのです」
ただ広報担当者は繰り返した。
「沖縄は全体として高い傾向にあります」。
トッピングと車社会
同社広報の分析によると、沖縄の店舗の特徴として
「米軍のお客さまにかなりご来店いただいています。基地の近くの店舗はほとんどが米軍関係の方です。チキンカツを2枚、3枚とトッピングする方や、サイドメニューとしてナンを注文する方もいらっしゃいます。お一人当たりの購入金額が高い傾向にあり、それに伴って売上高も高くなっている形でしょう」
同社ホームページによるとトッピングは、カレーソースも含め計12億通り以上になるという。
またテイクアウト需要の高さも特徴だ。
「アメリカは車社会のため、ドライブスルー文化が根付いています。ココイチ全体で言うと、コロナ禍では店内飲食のお客さまの客数がかなり落ちました。一方、沖縄の店舗はもともとテイクアウトやドライブスルーの比率が高く、コロナ禍でも売上を維持できました」(広報担当者)
ある店舗の社員によると、米軍関係者の中にはカレー20食分を箱に入れて持ち帰ったつわものいたそうだ。
テイクアウト需要の高さは、店舗の設備にも表れている。米軍嘉手納基地や米軍キャンプ・フォスターに近い、北谷町の沖縄北谷国体道路店と沖縄北谷ハンビー店の2つは、国内で唯一ドライブスルーが2レーンも設けられている。
また1994年にオープンした沖縄北谷国体道路店は、米軍関係者の人気がかなり高かったことから、駐車場が広い現在の場所に移転した歴史もある。
語り出したら止まらない“ココス愛”
さらに沖縄で取材を進めると、多くの外国人がココイチを親しみを込めて「CoCo’s(ココス)」と呼んでいることに気づいた。
5月、夕食時の午後7時ごろに中部のある店舗。店内では、若い外国人男性のグループが広いファミリー席で向かい合い、黙々とカレーを食べている。服装からすると米海兵隊関係者だろうか。テーブルに並んだカレーはどれもボリューム、トッピングが多い。壱番屋広報の言うとおり、チキンカツが2枚3枚と乗っている。屈強な米軍関係者には普通のボリュームなのだろうか。
米軍嘉手納基地に3年半勤務しているという男性(28)に話を聞いた。
Are you familiar with COCO’s?=iココイチに慣れ親しんでいますか?)
記...
詳細はサイトで
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1745729.html