米人気カントリー歌手の新曲MVが物議、シェリル・クロウが「ダサい」と苦言
米カントリーミュージックのスーパースター、ジェイソン・アルディーン(Jason Aldean)のミュージック・ビデオが物議を醸している。
アルディーンは今月14日、5月にリリースした楽曲「Try That In a Small Town」の映像を公開した。
ビデオでは、プロテスターが警察に中指を立てたり、街を破壊したりする様子や、小売店が強盗被害にフッテージなどを交えながら、アルディーンは「通りで突然の殴打」「赤信号で老いた女性の車を乗っ取り」「酒屋の店主に銃を突きつけ」「警察を罵倒」「国旗を踏みにじる」など、都市部で起きた問題に触れつつ、「小さな町では、自分の身は自分で守る」「ここで一線を越えたらどうなるか、長くはもつまい、小さな町でそれをやろうとしないことをすすめる」といった挑発的な歌詞を歌った。
動画は、テネシー州モーリー郡にある庁舎前で撮影された。同地では1927年、18歳の黒人男性ヘンリー・チョート(Henry Choate)さんが、白人女性を襲ったと濡れ衣をきせられたうえ、暴徒からリンチを受け殺害された。
PVが公開されると、「差別的」という批判が殺到。Varietyは「10年間で最も軽蔑に値するカントリーソング」と酷評したほか、オクラホマ大学でアフリカ系を専門とするカルロス・K・ヒル教授はローリングストーン誌で、「白人ナショナリズム」の歌と批判した。
カントリー歌手のシェリル・クロウは、アルディーンは銃乱射事件のサバイバーだったはずだと指摘しつつ、暴力を助長するのは「アメリカ人的ではない・・・ただダサい」と苦言を投稿。
2017年にラスベガスの野外音楽祭で起きた銃乱射事件は、「史上最悪」と言われ、59人が死亡し、500人以上が負傷。アルディーンは事件発生時、ステージに立っていた。
こうした批判が上がる中、カントリー・ミュージック・テレビジョン(CMT)は、番組の編成からアルディーンのMVを取り下げた。
https://www.mashupreporter.com/jason-aldean-try-that-in-a-small-town-controversial/2/