2023/7/25 17:14

 2024年パリ五輪への出場権をかけて9月に日本で開かれる「ワールドカップバレー」(国際バレーボール連盟〈FIVB〉主催)で、大会を盛り上げる「スペシャルサポーター」への就任が予定されていたジャニーズ事務所のグループの起用が取りやめになった。複数の大会関係者への取材でわかった。創業者の性加害問題で揺れるジャニーズ事務所に批判が集まる現状を踏まえての判断だという。

 大会関係者によると、今大会のスペシャルサポーターは、日本戦を中継するフジテレビとジャニーズとの間で、ジャニーズJr.の「Aぇ!group」の起用で調整を進めていたという。だが、今年3月に英BBCがジャニーズ事務所創業者の性加害問題についてのドキュメンタリーを放送し、その後も、連日メディアで問題が取りざたされため、両者が改めて協議した。

 国内ではBBCの報道以降も、ジャニーズのタレントはドラマやバラエティー、歌番組など、幅広くテレビ出演しているが、今回は、「五輪出場権のかかる国際大会で、国内向け番組とは訳が違う。社会の雰囲気などを見て、起用は厳しいと判断した」(大会関係者)という。

 大会は4年に1度開催され、今年は男女それぞれ8カ国が出場する。スペシャルサポーターは、1995年大会でV6が務めたのを皮切りに、99年に嵐、03年にNEWS、07年にHey!Say!JUMP、11年と15年にSexy Zone、19年にジャニーズWESTと、毎回ジャニーズのグループが担当。試合会場でのパフォーマンスや、フジの番組出演などで、大会を盛り上げてきた。事務所にとっても、タレントを売り出す貴重な場だった。

 フジは、朝日新聞の取材に「制作の詳細についてはお答えしておりません」と回答。ジャニーズ事務所も「当社はお答えする立場にございませんので、フジテレビ様にお問い合わせいただきますようお願い申し上げます」と答え、日本バレーボール協会は「演出には関与しておらず、一切情報は入ってきていない」などと述べた。FIVBにも取材を申しこんだが「知らない」などと回答した。(堀越理菜、滝沢文那)

https://www.asahi.com/sp/articles/ASR7T5FSBR7MUCVL027.html