「『財務省10年に一人の逸材』を投入したということは、岸田さんは増税に本気ということだ」(自民党中堅議員)

7月4日、岸田文雄首相の秘書官に財務省主計官の一松旬氏が就任した。退任する財務省出身の宇波弘貴氏が’89年入省、対する一松氏は’95年入省と6期も違う「若返り人事」だ。

もともと頭が切れる上に人当たりも良い一松氏は、財務省の中で「10年に一人の逸材」と言われてきたエリート。開成高校出身ということで、「同じく開成出身の首相が後輩を抜擢したご贔屓人事」(官邸関係者)との見方もあるが、さにあらず。首相とその周辺が買ったのは一松氏の「増税力」だ。

「労働・年金などを担当する職務を経た後、医療や介護の予算を仕切る主計局主計官を務めた、社会保障分野のプロ中のプロ。加えて税制の知識もある。特にその手腕を発揮したのが、岸田政権が打ち出した『子ども・子育て関連予算倍増計画』の下絵を描いたこと。子育て関連の支出を倍にするというもので、結局財源が具体的ではないため批判も浴びたが、『大胆な絵を描ける男』と岸田政権内で評価を上げた」(全国紙政治部記者)

岸田政権は防衛費の増額も打ち出しているが、これにも一松氏が深く関わっている。時間をかけて財源を調整し、財務省と連携しながらこの二つの「目玉政策」を推進するのが一松氏の任務となる見通しだが、もう一つの任務があるという。

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