世界各国のTOTOの工場で働く技術者が集まり、トイレなどで使われる衛生陶器作りの技を競う「衛陶技能選手権」が25日、北九州市の同社工場で開かれた。新型コロナ禍で2019年を最後に中断し、4年ぶりの再開となった。

陶器にうわぐすりを塗ってつやを出す「施釉(せゆう)」と、便器などを形作る「成形」の2部門があり、今回は施釉の部の8回目。米国、インド、タイ、台湾など九つの国・地域の14の生産拠点から選抜された精鋭29人が参加した。つや出しと保護のためのうわぐすりを、トイレのタンクにスプレーで塗る競技や、塗布した厚みを目視で当てる競技に臨んだ。

 ベトナムから参加したグエン・ニャン・フーさんは「他の国の人たちと交流できてうれしい。競技は練習通りにうまくできた」。中国・北京の工場で働く趙飛さんは「国によってやり方が違い、参考になった。今回、学んだ知識や技術を仲間に教えたい」と話した。

 審査結果は、うわぐすりを塗ったタンクを焼成した後に決まり、27日に上位3人を表彰する。4年前はベトナムが2部門とも優勝するなど、アジア各国の技能向上がめざましいという。TOTO衛陶生産本部長の山崎政男さんは「世界各地の工場に、この大会に出ることを目標にしている従業員がいる。4年ぶりに開催できたのは大きな喜びだ」と話した。

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