原子力規制委員会は26日、日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書」を決定し、正式に審査合格とした。機構は2025年3月の再稼働を目指す。

常陽は国内唯一の高速炉で発電設備はない。廃炉になった高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の前段階に位置付けられる研究施設。1977年に運転を開始したが、実験装置のトラブルで2007年から運転を停止している。

使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた「MOX燃料」を使用。冷却材は燃えやすい性質のナトリウムを使う。機構は運転再開後、停滞する高速炉開発や、高速中性子を利用した医療用の放射性同位体の製造に活用する方針を示している。

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