2022年、アップルが最新型の「iPhone14」を発売しました。日本での販売価格は11万9800円と10万円を超えていたことから、SNS上では「そろそろ買い替えたいけど、パソコン並みに高くて買えない」「もはや高級品で自分みたいな貧乏人には手が出ない」といった声が出ていました。

しかし、日本人には意外と知られていませんが、iPhone14の販売価格は世界の中で日本が最も安いのです。世界での販売価格をまとめたものが下の表です。

これを見ると、日本以外の国々の平均は14万8182円と、日本より2万8000円以上も高くなっています。また、最高値のトルコ(23万8454円)はなんと日本の約2倍の価格になっています。

12万円弱で「高すぎる」と言っていた人にとっては、トルコの販売価格は驚くべき数値でしょう。アップルなどの外資系企業はきちんと市場調査やマーケティングを行っていますから、そういった分析を踏まえたうえで、日本での販売価格を最も安く設定しているわけです。つまり、日本は「安くしないと売れない」とみなされているのです。

しかし、日本人は世界最安値のiPhone14ですら手が出ません。安価なAndroidスマホに乗り換えるか、どうしてもiPhoneが欲しい人は型落ちのiPhone13や、廉価版のSEシリーズなどを買うようになっています。

実際、市場調査会社BCNがまとめた大手家電量販店における実売データによると、iPhone14の販売台数はiPhone13より31%減、iPhone12より69%減となっています。世界最安値のiPhoneすら買えず、型落ちや廉価版しか買えない。それが今の日本のスタンダードになってきているのです。

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