中国人に日本の原野を買われることが、日本国の防衛上の脅威になるという説を一部メディアなどが取り上げている。

産経新聞社編集委員の宮本雅史は、中国系資本がリゾートなどの名目で北海道の土地を買収し、そこを中国の自治区とすることで、北海道が「中国の32番目の省」[13](原文ママ。ちなみに中国の省の数は2018年現在で23省)となる危険性を指摘しており、「中国人に日本の土地を買われることを阻止するため」に中国人より先に原野を高値で購入する愛国的日本人が、詐欺師の口車に乗って無価値な土地を高値で購入しているわけではなく、一人の日本人として中国と「目に見えない戦争」[13]を戦っているという見方もある。

一方で、中国脅威論を煽ることで無価値な土地の地価を吊り上げたうえで、日本円の投資先を探している中国系ファンドに土地を買わせるという手口もある(中国系投資ファンドに対し、「原野の買収を進める中国から日本の土地を守るため、日本の自治体や国が土地の買収を検討しているので、土地の値上がり確実である」との虚偽の説明を行う)[14]。日本の投資会社すら買わない無価値な土地が高値で売れる上、中国系企業が本当に日本の原野を購入したという実績も得られるので一石二鳥である。さらに、一度中国系資本に売った土地に対し、別会社の名義も使って高額の管理費・測量費・広告費・仲介手数料などを徴収したうえで(原野商法にかかわる不動産業者は複数のダミー会社を抱え、また同じグループが定期的に倒産と新規設立を繰り返し、悪評と弁済をチャラにしている)、自治体や愛国的日本人に高値で転売することができれば一石三鳥である。このように、日本人だろうと中国人だろうと関係なくカモを見つけて無価値な物を売って大金を稼ぐのが詐欺師である。

https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20230224-OYT1T50246/