真の金持ちは「中小企業のオーナー」であると知ったときの話。
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以前、コンサルティング会社に勤めていたとき、何が一番良かったのかといえば、数多くの企業を見ることができた点だ。

様々な会社を横並びで見れば、何が良くて何が悪いのか、理解しやすい。

ベンチャー、中小企業、大企業……すべてが比較対象だった。

中でも面白かったのは、ベンチャー・中小企業のコンサルティングだった。

その理由としては主に以下の3点だ。

・経営者と直接話ができる

・意思決定が速い

・施策の結果が見えやすい

特に、「経営者と直接話ができること」はまさにこの仕事の醍醐味で、様々な知見を得ることができた。

真の金持ちとは、中小企業のオーナー

その知見の一つが、「お金」に関するものだ。

変な話だが、例えば世間知らずだった私が、最初に衝撃を受けたのが、オーナー経営者の報酬だ。

オーナー経営者は、ほとんどの上場企業の経営者よりも、はるかに良い報酬を得ていることに、私は驚いた。

例えば、以下の記事を見ると、上場企業の役員で、2億円以上を得ている人は201人いる。

「年収1億円超」の上場企業役員ランキング500 1位は24億円超、2億円以上の報酬は201人(東洋経済オンライン)

これだけを見ると、億単位の報酬を得るのは、外国人のプロ経営者か、上場企業で出世した本当に限られた人だけなのだ、と思いがちだ。

私もそう思っていた。

ところが、中小企業の経営者においては、「億超え」は全く珍しくなかった。

特に、長く会社を継続し、コンサルティング会社を雇えるような中小企業のオーナーは超裕福で、莫大な資産を蓄積している。

しかも、社員はそのことを全く知らない。

わたしだって、こんな仕事をしていなかったら、知らなかっただろう。

中小企業の社員の年収は400万、500万くらいが多いが、年商で10億、20億程度の、全く平凡な会社の社長でも、年収にして1億以上を普通に手にしていた。

「社長は結構もらってる」と感づいている社員もいたが、せいぜいその想像する金額は3000万くらいで、実際の金額とはかなりの開きがある。

だから、オーナー企業の経営者は、売り上げや利益は開示するが、役員報酬がわかる決算書を社員には見せない。

このように、雇われ経営者たちと比べて、中小企業のオーナーたちの得ている報酬は文字通り桁違いだ。

しかも、雇われ経営者たちは「経費」を自由に使えない。株主に監視されているからだ。

だが、オーナー経営者は経費を自由に使える。

中には、わざと役員報酬を上場企業の役員並に抑えて、経費をワンサカ使っている経営者もいた。