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平野美宇が15歳・張本美和を圧倒!張本智和は土俵際の1本で宇田幸矢を退ける!選考会を生放送でDEEP解説

7月22日の『卓球ジャパン!』は、生放送で第5回パリ五輪日本代表選考会の熱戦をDEEP解説。女子準々決勝の平野美宇(木下グループ)対張本美和(木下アカデミー)、男子準々決勝の張本智和(智和企画)対宇田幸矢(明治大学)の2戦を分析した。

早田ひな(日本生命)が選考ランクトップを独走する女子。選考ランク2位につける平野美宇は準々決勝で15歳の怪物、同7位の張本美和と対戦した。

前回の選考会では張本に敗れている平野だが、国際大会で世界女王の孫穎莎(中国)を破るなど現在は上り調子で、この試合でも好調ぶりを発揮。

ここ最近の平野の強さの要因として、MC平野早矢香が注目したのは下回転に対するドライブの質の向上。

「ゆっくりのループドライブと溜めて速く打つパワードライブを使い分けていて、以前よりも質が高い」(平野早矢香)

前回の張本との対戦では得意のバック対バックの展開で相手を崩せず敗れたが、今回はそのパターンには持ち込ませず下回転をドライブで攻めて得点を重ねていく。

張本もブロック力のある選手だが、平野の緩急をつけたドライブにうまく対応できなかった。

またフォア前へのサーブも効果的で、張本もチキータで攻めたり、流したりと色々なレシーブを試みるが攻略にはいたらず。また台上ではフリックでコースを突いて張本を翻弄した。

「平野選手を見ているとバック対バックになったら、そんなに決めなくてもいいからミスを少なくしようみたいな気持ちで、台上だったり、下回転のボールに対するドライブで勝負をしている」と平野早矢香も分析。

あえて得意の展開にせず、違う引き出しで勝負をかけた平野の戦術が功を奏した形だ。

「以前は、良い時は良いんだけど、良くないと淡白に失点を重ねてしまうことが多かったと思うけど、最近そういう姿をなかなか見ない」と平野の成長ぶりにMC武井壮もコメント。

終始落ち着いたプレーを見せた平野が、張本をストレートで退けた。

敗れた張本も15歳とは思えないハイレベルなプレーを披露。途中で見せたYGサーブは平野早矢香も絶賛。

「YGサーブを出せる女子選手が少ないので、今後もどんどん一つの武器にしてもらいたい」とエールを送った。

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続いて男子は、選考ランク1位の張本智和対同9位の宇田幸矢の一戦。

2020年の全日本選手権男子シングルス決勝では、宇田のアグレッシブなプレーに押されて張本が敗れているが、今回も宇田の強打が張本を苦しめる。それぞれ2ゲームずつ奪う接戦となった試合は、第5ゲームのラストに勝負の分かれ目が訪れた。

果敢なフォアドライブでこのゲームをリードした宇田は10-8とゲームポイント。あと1本奪って、3-2とゲームをリードしたいところだったが、次の1本は浮いたボールを強打したもののコースが甘くなり、逆に張本に打ち返されてしまう。

さらに10-9でも宇田がフォア連打で攻める有利なラリー展開になったが、張本のブロックがネットイン。チャンスを生かせず2連続失点で10-10となったのだ。

「宇田選手からするとこの2ポイントは重いですね」(武井)

終盤のあと1本を簡単に取らせない張本の強さは、中国選手に通ずる部分がある。そのまま張本が12-10で第5ゲームを取ると、続く第6ゲームも一気に畳みかけて完勝。

選考ランクを上げたい宇田としては悔やまれる2失点となった。

結局今大会は、女子は早田ひな、男子は張本智和が優勝。

トップを独走する両選手がさらにポイントを重ね、パリ五輪シングルス出場枠獲得に大きく近く結果となった。