【女子W杯現地発 豪州NZは今日もクレージー】#1

 ボンジーア! みなさん元気かな? ブラジルのリカルドです。今ボクはオーストラリアとニュージーランドで行われている女子のW杯に来ているよ。

 大会の雰囲気は最高! 今いるオーストラリアはサッカー大国ではないけど、みんなスポーツを愛していて陽気。世界中からサッカー好きが集まってくるあのW杯の独特な雰囲気はないけど、スタジアムがほぼ満員になっている試合も多いよ。

 ただ開幕前から感じているのが、「フェミニズム」のすごーく強い大会ってことだ。「女性の女性による女性のための大会」っていう感じ。男性であるボクらはあちこちで疎外感と違和感を覚えてならないんだ。

 例えばブラジルの記者は80%が女性。あるテレビでは男性2人がリポートをしていたんだけど「なんで男がいるんだよ!」ってツイッターで炎上しちゃったほどなんだ。

 実際、ボクも似たような目にあった。女子W杯の取材は2007年の中国、19年のフランスに次いでボクにとってはこれが3度目。中国大会の時は、南米からわざわざ足を運んだ記者はボクだけで、メキシコからウルグアイまでの全てのメディアの仕事をした。それなりに女子サッカーにも精通しているつもりだ。

 ところが、これまでの大会では仕事をくれていたラジオ局から、今回は断られてしまった。理由を聞くと「あなたは男だから」。それっておかしいよね。「あなたは優秀じゃないから」って断られるならわかるけど、性別で断られるのって、それって逆差別なんじゃないかな? 男性には女子のサッカーはわからない? そんなことはないと思う。だって男性のサッカーだって女性はわかってくれるだろ? 

 でも今大会はまさにそんな雰囲気があるんだ。LGBTQの意識の強いオーストラリアで行われているのも関係あるかもしれないけど、例えば主審も線審も全員女性。男性はVARのスタッフに何人かいるくらいだ。これは女子W杯史上でも初めてのことだ。メディアでは「快挙!」みたいに報じられてるけど、ボクはなんかモヤモヤする。だって男子のW杯には女性の審判が進出を始めているんだよ。

 女性審判の活躍の場が増えるのは大いに歓迎だけど、ここまで「女性だけ」ってなると、なんとなく作為的なものを感じてならない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6012bf33cff7294a814593dc71815b602c94742c