最近、ネット上で補助金や助成金などの公金を不正に享受する行為が “公金チューチュー”と称されている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a1da25f855a830ce849007248c5192ee5f58169c
補助金トラブルとお金の持ち逃げ騒動
主に舞台の企画制作を行う会社のAさんも、公金を巡るトラブルに巻き込まれた一人。
「私が携わったミュージカル舞台で、補助金トラブルとお金の持ち逃げ騒動が起こったんです……」
ことの発端は、'22 年の春ごろ、数多くの映像作品や舞台を手掛けてきたプロデューサ―・神田裕司氏がとある舞台を企画したことから始まる。
「私は神田さんとは 10 年来の付き合いになります。以前から一緒に舞台やイベントの立ち上げを行ってきました。彼が“新しい演劇プロジェクトを始めたから手伝ってほしい”と声をかけてくれたのですが、その立ち上げメンバーにいたのが経営者・T氏でした」(Aさん、以下同)
T氏は会社経営の傍ら、震災の復興支援や障害者支援の団体を複数立ち上げた経歴の持ち主。T氏と神田氏は異業種交流の場で、数回挨拶した程度の関係だったようだ。
「Tさんは神田さんに“自分は助成金や補助金に詳しい。この制度を活用してミュージカル舞台を作ろう。同時にスポンサーを募って協賛金も集めよう”と持ちかけ、神田さんは了承。
助成金を貰うには申請者の過去の実績なども国からチェックされるため、Tさんは助成金を申請する代表者として、ミュージカル女優のKさんを連れて来たのです。彼女は音大出身で、大手テーマパークのキャストを務めた経験の持ち主。今年3月から『劇団四季』が上演している『ノートルダムの鐘』にも出演しています」
こうして演劇プロジェクトは、文化庁がコロナ期間を乗り越えるための文化芸術活動を支援する制度AFF(ARTS for the future!)を活用しながら動き出したのだが――。
「本来は'23 年の実現を目指していましたが、Tさんが“補助金の申請には期限があるから'22 年のうちに形にしなくてはいけない”と急かしたり、“申請額の上限である600万円を受給してもらおう”と主張したために経費が膨れ上がったりと、当初から“補助金を受領するための舞台”という流れになっていったのです」