■『スラムダンク』(井上雄彦/集英社)“Slam Dunk”
 米国と日本のメディア市場の反応が乖離した一番の例が『スラムダンク』。
米国ではスポーツは巨大産業で、世界でも資金と権威がある企業などが、スポーツチームを購入するといった背景がある。
今までのマンガに類を見ない、驚くほど熱く芸術的なマンガだが、苦戦の理由は、バスケットボールファンがたとえマンガを読むとしても彼らにとってのヒーローは、アスリートではなくスーパーヒーローという点。その上、桜木花道がプロではなく初心者で、練習を積んでいくストーリーは生ぬるく、米国人をイライラさせるのだ。
若い子たちにとっては健全なストーリーかもしれないが、ティーンたちはスターに憧れるもの。
出版社がNBAのバスケットボール選手をプロモーションに起用するなど面白い取り組みをしたものの残念ながら、ジャンプタイトルの中で、米国史上最も売れない作品となってしまった。


原作からこんな状態だし