Q
なるほど。ほかのSNSと違って、ツイッターは匿名で投稿できるという特徴があると思います。そのことはユーザーの使い方にどう影響しているとお考えですか?
ドーシー氏:
まず最初に、私は、ツイッターはSNSではないと思っています。SNSとは、友達や家族やクラスメートや職場の同僚を探すツールです。
ツイッターは全く違います。ツイッターにつぶやく理由は、何かに興味があるからで、例えばジャーナリストなら、他のジャーナリストと意見交換がしたいなどです。
またはスポーツ記者なら、野球に関するニュースをフォローしたい、直接選手にフォローしたいなどです。これらはあなたの実際の知り合いとは全く関係ありません。自分が興味を持つ対象がすべてです。
ですから、ツイッターはSNSとは全く違うのです。興味や自分の関心事がベースのネットワークです。そういった話題を求めてツイッターを使用し、その結果面白い人たちと出会えます。
時には彼らと会話をしたり、時には単にフォローします。これがツイッターと他のSNSとの重要な違いであり、ツイッターがユニークな理由です。
SNSではなく、知り合いを探すツールではないため、本名などは重要ではありません。ユーザーとして必要のない情報です。
匿名のアカウントはありません。匿名のようなアカウントは存在します。それは作られたアイデンティティです。ですから、スードニム(仮名、ニックネーム)は、ある一定の興味や、自分が希望する表象に基づいたアイデンティティです。
日本ではそのようなスードニムを利用したアカウントは多くみられます。ユーザーはフォローしたいスードニムも作ることができるし、仕事用のアカウントも、それ以外のアカウントも作ることができる。
このような方法でツイッターを使用したい人がいることが分かっています。ほかにも、スードニムはイベントなどにとても役立ちます。
例えば、自分の正体がばれるのが怖くて発言できないことがあったり、その発言のせいで政府から何か処分を受けるかもしれない人がいるとします。
歴史上、こういった状況はとても大事な事がわかっていますし、これまでアラブの春、イラン革命などにおいて、人々はその正体を知られることなく、ある一定のスードニムのアカウントのもとで、政府やリーダーに対して疑問を投げかけたり、デモを行ったりできます。
ツイッターのユーザーにとってはとても重要なサービスとなってきたのです。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/enjyou/static/20171121.html