「いしば踊り」「マスクをまく人」…「ニセ安倍」福本ヒデが政治風刺画個展 昭恵さんから花も - 社会 : 日刊スポーツ
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社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で「ニセ安倍晋三」として活躍する福本ヒデ(52)が、この1年間に書きためた政治風刺画の個展を、東京・京王百貨店新宿店7階のシーズンスペースで開催している。「ザ・ニュースペーパーの福本ヒデ個展」と題した展覧会で、得意とする時事ネタを独特の観点から風刺した33点が並び、すでに購入された作品も多い。

福本によると、同所での個展は2度目。今回の展示作品はコロナ禍の昨年、思いつくままに書いたものだという。自信作の1つ「永田町漫画 いしば踊り」は、自民党の石破茂元幹事長をモチーフにした作品。葛飾北斎の「北斎漫画 雀(すずめ)踊り」にヒントを得たもので「総理になる、総理になると、ずっとマスコミに踊らされ続けている石破さん」(福本)が、まるで分身のようにさまざまな表情、姿勢で踊るような姿が無数に描かれている。そこに描かれた石破氏の1つを「スピンオフ」として、陶製の人形(1万6500円)にして6体製作したところ、完売したそうだ。

石破氏とともに多くモデルになっているのが、自身が演じる安倍氏。覆面芸術家バンクシーの「風船と少女」のパロディーとして、一周忌の追悼の意味を込めて制作した「命と安倍さん」も展示。「人の命を奪ってはいけないということを、私たちは忘れてはいけない」と、銃撃され命を落とした安倍氏への思いを込めた。一方で、安倍氏がコロナ禍の首相時代に導入し、批判を浴びた「アベノマスク」が大量に描かれた「マスクをまく人」は、ゴッホの「種をまく人」のパロディー。国民を戸惑わせたアベノマスクに対する、痛烈な風刺を込めたものだ。

岸田文雄首相は「ムンクの叫び」のパロディー「文句の叫び」や、聖徳太子像をモチーフに、手にしゃもじを持った「岸徳太子像」などの作品で登場。マイナンバーカードをめぐるトラブルの渦中にある河野太郎デジタル相は、「マイナカードマン」として描いた。

個展開催に際しては、交流がある安倍氏の妻昭恵さんや、さまざまな作品のモデルになった石破氏から、お祝いの花も届いた。8月2日まで。【中山知子】