◆軽度の認知症をきっかけに排外主義に染まった母

きっかけは軽度の認知症と診断された3年前。
グループホームに通うようになってから、高橋智之さん(仮名・37歳)の母(70歳)はネトウヨになった。

「東南アジア系のヘルパーに対し『外国から来てるクセに日本でたくさんカネ稼いで。オマエたちの給料をよこせ!』とか、
『裏でなんか悪いことしてるんじゃないの?』と罵声を浴びせていると聞き、絶望的な気持ちになりました」

さらに自宅に水道修理にやってきた業者に対し「あなたは在日か?」という発言も。

「認知症の影響で読書もできなくなり、スマホもYouTubeも見ていない。どうやらグループホームでそういう“思想”に染まったようです」

高橋さんが子供の頃、母は中国人留学生をホームステイさせてあげたこともあった。
その学生が生活に困らぬよう、中国語教室を開いて生活費を稼がせてあげたことも。さらに近隣に住む外国人のための生活支援相談員を長くボランティアでやっていたとも。

「『昔、日本はアジアの人々に悪いことをした』『日本に来てくれる外国人を大切にしなければいけない』というのが口癖でした。
そんな母が今や嫌中嫌韓、排外主義になって、僕や家族にも憚らず公言するようになった。とても悲しいですよ……」

高橋さんは母と今、距離を置いて生活している

https://nikkan-spa.jp/1921134/2