学校から保護者への連絡用に使われている「学校安心メール」で小学生を対象としたワクチンの治験の案内が配信されていたことがわかりました。
配信した企業は不適切だったと謝罪し、治験は中止されたと説明しています。
7月29日、「学校安心メール」に、1通のメールが届きました。
「5歳から11歳のお子様を対象とした感染症予防ワクチンの臨床試験の参加者を募集しております」
福岡市などの保護者が受け取ったのは、小学生を対象にしたコロナウイルスワクチンの治験者を募集するメールです。
メールの発信者は「学校の名前」
学校安心メールは熊本県のIT企業テクノミックスが運営するもので、学校と保護者は無料で利用でき、学級閉鎖などの際の連絡手段として使われています。
メールの発信者名は学校名となりますが、スポンサー企業からの情報も配信される仕組みです。
今回の治験の募集はスポンサー企業からの依頼で配信されたもので、治験者になれば8回の通院で、1回あたり1万5000円を支払うとしています。
このメールは福岡市で108校のほか糸島市、春日市、筑紫野市の小学生の保護者にも配信されていました。
受け取った保護者は「何だこれ」
保護者
「戸惑いはしましたね、何だこれって感じで」
保護者
「ただでさえ今、ワクチンをどうかなって思っている時に、市のメールとして学校の校長先生の名前も入って来たので、後で訂正は来ましたけど、やっぱりちょっと確認してから配信してほしい」
福岡市教育委員会によりますと、今回のメールの内容について、テクノミックスは7月25日に福岡市内の市立小学校あてにファックスを送信しあらかじめ伝えていました。
ファックスを受け取った複数の学校が、テクノミックスに対し「この内容を『学校安心メール』を使って配信するのは不適切ではないか」と指摘しましたが、テクノミックス側から、
「安心メールは広告で成り立っているものなので、理解してほしい」と言われたということです。
福岡市教育委員会は「治験の募集に関与も推奨もしていない」
29日のメール配信後、福岡市教育委員会や学校には、問い合わせや苦情相次ぎました。福岡市教育委員会は
「治験の募集に関与も推奨もしていない。掲載されたことは適切ではない」とコメント。保護者にも教育委員会と学校長の連盟でメールを配信し同様の説明をしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cdc6a4c0b04f993219f1c3ebf6b431ed96eb1de5