会議で追加資料が必要になった場合などは他の建物に走って取りに戻るようなこともあった。総務部総務課の井上幸彌課長補佐は「以前から引き継がれていた設計で、もともとはセキュリティーを考慮してのものだった」と説明する。
新ネットワークでは、まず5つの建物のセグメントを同一とすることで業務用パソコンをシームレスにどこでも使えるようにした。従来は業務用パソコンを有線LANで接続していたが、各所に無線LANのアクセスポイント(無線AP)を設置して無線接続できるようにした。
無線LANは主に事務職員が業務システムにアクセスするためのものだが、宗務所への来訪者向けにゲスト用のSSID(Service Set Identifier)も用意した。井上課長補佐は「新ネットワークではセキュリティーを考慮しつつ、利便性や生産性も高められた」と話す。
新ネットワークの設計と構築はNTT西日本に依頼した。無線APはヤマハ製、レイヤー2/3スイッチなどはFXC製の機器を選定し、建物間VPNの一部にはNTT西日本のIP-VPNサービス「フレッツ・SDx」を採用した。フレッツ・SDxに変更してから「拠点間の通信遅延が軽減した」(井上課長補佐)。加えて無線APなどのファームウエアのアップデートは保守会社が遠隔から実施するため、現地作業の調整などの手間がない点がメリットだという。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/nnw/18/041800012/072000219/