【8月2日 CGTN Japanese】北京市内で7月29日、囲碁の世界チャンピオンであるプロ棋士の陳耀Y九段と中国製のAI囲碁ロボット「元蘿蔔(SenseRobot)」が対局しました。陳九段は中盤で負けを認めました。今回の対局は中国、日本、韓国に同時生中継され視聴者数は70万人を突破したとのことです。

 序盤では、双方がポストAI時代に流行する布局を急速に展開し、互角の力量を発揮しました。その後は「元蘿蔔」が積極的に攻勢に出て、巧妙局面を構築しました。不利な状況に陥った陳九段は打開しようと何度も試みましたが、いずれも「元蘿蔔」に退けられました。陳九段は中盤の192手目に投了して、「元蘿蔔」の勝利が決まりました。

「元蘿蔔」と初めて公開対決したプロ棋士の陳九段は、2013年の春蘭杯世界プロ囲碁選手権、2016年の百霊杯世界囲碁オープン、2018年の天府杯世界囲碁プロ選手権で相次いで優勝しました。3大会の全てで優勝した中国人プロ棋士としては5人目で、中国囲碁天元戦では8連覇を達成しました。
陳九段は対局後、布石の段階から相手に強く圧迫され、自分は手を出すたびに抑え込まれたと述べました。極めて「戦いにくい」相手で、結局は負けを認めざるをえなかったとのことです。

 今回の人・AI対局の生中継でゲストとして解説者を務めた中国囲碁協会の聶衛平名誉主席は、中国製の囲碁のAIロボットはすでに高い水準に達していると説明し、「今日の対局ではAIが果敢に攻めた。陳耀Y九段にチャンスがあまりなく、最終的に負けたのは意外ではない」と述べました。

「元蘿蔔」は囲碁を学ぶ青少年のために設計されたロボットで、今年6月に発売されました。中国の人工知能ソフトウェア会社の商湯科技が2022年発表した象棋(中国将棋)ロボットに続く、中国製の囲碁・将棋用AIロボットです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News

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