『スーパーロボット大戦IMPACT』20周年 心が折れそうなシリーズ最大ボリュームと絶妙な難易度設計
『スーパーロボット大戦IMPACT』は、2022年3月28日に発売20周年を迎える。
本作は、数ある『スーパーロボット大戦』シリーズの中でも最長を誇る大ボリュームのタイトルだ。
今回は、そんな『スーパーロボット大戦IMPACT』がどのような作品だったのか、20周年を機に振り返ってみよう。
『スーパーロボット大戦IMPACT』は、2002年3月28日に発売されたPlaystation2向けのシミュレーションRPGだ。
『IMPACT』では、『無敵超人ザンボット3』『UFOロボ グレンダイザー』『超電磁ロボ コン・バトラーV 』など、1970年代に放映された
ロボットアニメの参戦が多かった印象だ。反対に、1990年代の作品はかなり少ない。
2002年当時の水準から見ても、比較的懐かしいアニメが多かった作品ではないだろうか。
『スーパーロボット大戦IMPACT』は、シリーズのなかでも断トツの大ボリュームとなっている。
スーパーロボット大戦の平均的なステージ数は60程度だが、『IMPACT』ではエンディングを見るために100前後のステージをクリアする必要があるのだ。
その中には分岐するステージもあるため、総ステージ数はなんと105にも上る。クリアまでの所要時間は150時間を超えるといわれており、
近年の大作オープンワールドゲームに引けを取らないボリュームを誇るのである。
これほどまでの大ボリュームとなったのは、『IMPACT』がもともと3部作だった作品を1本のゲームとして再構築しているためだ。
『IMPACT』は、かつて発売された『スーパーロボット大戦COMPACT2』3部作のシナリオや登場作品などをほぼ踏襲して制作されており、実質リメイクともいえる。
したがって、『IMPACT』も「地上激闘編」「宇宙激震編」「銀河決戦編」の3部構成となっており、大長編作品となっているのだ。
このボリュームについては賛否両論で、途中でクリアを断念したプレイヤーは少なくない。
かくいう筆者もその一人で、かつては2部に当たる「宇宙激震編」の途中で辞めてしまったという苦い記憶がある。
というのも、「地上激闘編」と「宇宙激震編」は同じ時間軸のストーリーになっており、「地上激闘編」でせっかくユニットを育成しても、
「宇宙激震編」では、またほぼ一からユニットを育成し直すことになるのだ。
これについては、新たな気持ちでリスタートできると好意的に受け取れる人もいるかもしれない。
しかし、個人的にはそれまでに積み重ねたものが一旦リセットされることからモチベーションを削がれ、最後までプレイすることができなかった。
『IMPACT』は発売当時「初心者向け」を謳っていた。しかし、本作はそれなりに歯ごたえのあるシミュレーションゲームとなっており、
とても初心者向けといえるような難易度ではない。ただし、各ユニットの特性をよく理解して運用すれば有利に進められる絶妙な難易度設計となっている。
多くの『スパロボ』には、バランスブレイカーと呼ばれるような突出した性能のユニットがいる。
とりわけ、「ゴッドガンダム」や「ビルバイン」といった攻撃力・回避力に秀でた機体はさまざまな『スパロボ』作品で猛威を振るっており、
とりあえずこれらの機体を強化して敵陣に突っ込ませておけばなんとかなるケースもままあった。
しかし、本作ではこれらの機体の性能も控えめだ。攻撃力は抑えられ、回避性能も他作品ほどの群を抜いた高さではなかった。
また、敵機のHPが高いことも相まって、単機で突撃していてはステージを攻略するのは難しい。
その代わり、各ユニットの個性が色濃く出たバランス調整になっている。たとえば、攻撃力は低いものの回避力が高いユニットを使えば、
自軍の被害を抑えつつ雑魚敵のHPを削ることができる。一方、攻撃力が高いものの燃費の悪いユニットなどもいて、
このようなユニットはステージ序盤はある程度エネルギーを温存しながら戦う必要がある一方、ボスなどの強敵との戦闘では活躍しやすい。
https://realsound.jp/tech/2022/03/post-996707.html