河野談話を裏付ける証拠は増えたのに、責任認めない主張が根強い保守層…発表30年、研究者の考えは
松野博一官房長官は3日の会見で、河野談話を巡る政府の姿勢を「全体として継承している」と説明した。この30年で16の政権が生まれたが、談話は一貫して引き継がれている。
ただ、見直しを図ろうとする動きは収まっていない。大きなきっかけになったのは2007年、安倍晋三首相(当時)による
「官憲が人さらいのごとく連れて行く、強制性はなかった」という国会答弁。
保守層は勢いづき、第2次安倍政権下では自民党の検討委員会が14年、朝日新聞による関連記事の一部取り消しを受けて「
強制連行の事実や性的虐待は否定された」と決議した。民間でも「慰安婦は新聞による捏造」などの言説が広く流された。
長く慰安婦問題を研究する関東学院大の林博史教授(現代史)は
「逃げられない環境で性的行為を強いられたことが問題で、
『連行時の暴力がなければ強制でない』ということになるはずがない」と苦言を呈す。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/267690