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元ジュディマリTAKUYA、アメザリとバンド「第2のスタート」
元ジュディマリのTAKUYAさんが、「商店街バンド」というコミックバンドをアメザリと組んでいます。お笑いに込めた音楽への思いとは?

元JUDY AND MARY(ジュディマリ)のTAKUYAさんが、アメリカザリガニとコミックバンド「商店街バンド」を組んでいます。ジュディマリ解散後も自らの音楽を追求してきたTAKUYAさんが、「お笑い」に見出したものとは何か。そこには、これからの音楽業界への思いがありました。
「ケーキ入刀」で必殺仕事人「ちがーう!」
「商店街バンド」とは?
8年くらい前、アメザリの漫才の出囃子(でばやし)を作ったんです。それがきっかけで、自分の誕生日ライブで、アメザリに漫才をしてもらって。その時の打ち上げで、次からは一緒になんかやろう、という話になったんです。
それから3人で、ネタ合わせやるようになりました。その時、バンドで演奏始めて、アメザリの柳原哲也が突っ込むとか、いろんなパターンを思いついて。「新郎新婦、ケーキ入刀です」っていうときに必殺仕事人のテーマをバンドが演奏、それで「ちがーう!」みたいな。
ライブでやったら思いのほか好評で、来年もやろう、という流れになり。段々と1時間を超えるくらいになってしまって。そこで「本気でやる気ありますか」っていうのを各メンバーに確認を取って、誕生日ライブの中ではなく単独でもやっていこう、ということになったんです。
大赤字だったけど「これはやれる」
手応えはあった?
2013年に単独でやり始めた時は、正直、知り合いの会社の人に頼んで、チケットを買ってもらったりしても大赤字だったんですけど、実際、来てもらうと、どっかんどっかん笑ってくれて。「これはやれるぜ」と思いましたね。ハイブリッドなコミックバンドショーというのは、今は無いジャンルで、僕もメンバーも、やってて楽しいんですよね。
「商店街バンド」では、ありとあらゆる楽曲を演奏するんです。正直、今20代のバンドの子たちに、これやってみなさいって言っても、たぶんできないですよね。みんな相当キャリアあって、この年までやってきたからこそ、開けたドアだと思っています。
YUKIのボーカルと、柳原のツッコミ
アメザリとの掛け合いが息ぴったりです
僕は神のツッコミと思っているんです。松竹芸能のお正月の番組で、大先輩がボケまくってるのを、柳原が一人で仕切ってしまう。
ジュディマリの時は、YUKIがボーカルで、彼女の素晴らしい歌をどう聴かせるかだったんですけど、今は、柳原がボーカルで。あいつの神のツッコミをいかに引き出せるかっていうとこですかね。
それが楽しいし、プロデューサーが僕だとすると、僕の使命だなって思ってるところもあるんです。
育成を捨てはじめた時、デビュー
アイドルのプロデュースもされてます
業界の流れを自分なりに見てみると、まず予算が削られてアイドルの曲で生バンドが消えた。そして、歌って練習しないと上手くならないんだけど、それもしにくくなって。1人だとちょっと歌が厳しい…みたいな時は、2人だったらいいんじゃないか、3人だったらいいんじゃないかって、もっと大勢で、そういう歴史をたどってきたんじゃないかと。
僕がジュディマリの前のバンドでデビューした25年前にソニースタジオっていうのがあって。そこの地下にリハーサルスタジオがあったんですね。毎日そこで頑張って練習してて。
当時、隣のスタジオで練習してたのは、ドリカム。同じ建物の上は、ちゃんとしたスタジオで「食堂に南野陽子がいるぞ」って、サインもらいに行ったりとかして。俺らももっと頑張って地上に上がろうみたいな、そういうのがあったんです。
その3年くらい後にジュディマリでもう1回デビューした時はなかったんですね、リハスタが。そのころから、(音楽業界が)育成を捨てはじめていて。僕はあれがきっかけの一つだったなって思うんです。
「何もなくなって、これはまずいぞ」
一方で「今、折り返しの地点に来ている」と発言されています
「ブルーハーツ」の結成30周年のアルバムが、ネットで話題になっていたんです。彼らのような昔のバンドが、今、ネットで注目を集め始めているんですね。それで、自分のツイッターで「折り返したな」と投稿しました。
音楽業界が、予算を削られてめんどくさい部分を捨てていったら、何もなくなってしまった。これはまずいぞ、という動きになってきている気がして。それで、たぶんまた逆流してくるというか、そういう時間軸にいるなって思ったんです。
「ジュディマリやり遂げて、見つけた行き先」