処理水放出、8月末にも開始の見通し 日米韓首脳会談後に時期決定へ

 東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出について、政府は18日の米、韓両国との首脳会談後に放出時期を決める方向で調整に入った。岸田文雄首相が米国から帰国後に関係閣僚会議を開いて決定する。政府が「夏ごろ」としてきた海洋放出は、早ければ8月末にも始まる見通しだ。複数の政府関係者が明らかにした。

 首相は18日に米・ワシントン郊外である日米韓首脳会談に合わせ、米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と個別に会談する予定。両首脳に処理水の安全性やその科学的根拠、放出後の対応などを説明して理解を得たうえで、放出時期を最終決定する。首相は、全国漁業協同組合連合会の関係者らとも面会し、放出について自ら説明する方向で調整している。

 首相官邸の幹部らは、時期を決めてから実際に海洋放出するまで、準備作業や周知などで1週間以上は必要とみている。一方、福島県沖では9月から底引き網漁が解禁され、漁期に入ってからの放出開始は避けたい考え。このため、今のところ8月末ごろから放出を始める想定をしている。

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