熊本県立高3年の女子生徒が2018年にいじめを受けて自殺したことに関する県の第三者機関の調査報告書について、県は7日、個人情報保護のために黒塗りにしていた部分が外せる状態でホームページ(HP)に掲載していたと明らかにした。公開から約3年間で約3400回の閲覧が確認されたという。
県教委が2日に公開した県立東稜高の元生徒のいじめ被害に関する調査報告書で、黒塗り部分が一定の操作で外せるようになっていたことが4日に判明。これを受け、県が同様の事案がないか調査したところ、今回の問題が発覚した。
報告書は、県立高3年の深草知華(ともか)さん(当時17歳)がいじめ自殺した報告書の概要版。深草さんの家族の続き柄などを黒塗りした3カ所が20年5月から、一定の操作で黒塗りを外せる状態になっていた。県は文書を差し替え、4日に遺族側に電話で報告した。他に同様のケースは確認されなかった。
県子ども家庭福祉課の担当者は「県のHPで報告書を公表する前に遺族側が被害者の実名を公表していることから、新たな個人情報の流出には当たらない」と説明。これに対し、遺族は「電話で済む話ではなく、再発防止策を文書で示してほしい」と話している。
https://mainichi.jp/articles/20230807/k00/00m/040/261000c