ロシアの侵攻開始から約1年半。ウクライナ軍で働く女性は6万人。ウクライナ国防省によると、そのうち4万2000人以上が軍務に就き、そのうち5000人は前線で戦っている。
国防省は、ウクライナでは女性を本人の意思に反して徴兵することは、法律で禁じられているとも説明した。
ただし、兵士の職種の中で、特に女性の方が優れていると一部で思われているものがある。
「指揮官に会いに行って、『何が一番、私に向いているでしょう』と尋ねた。『君は狙撃手だ』という答えが返ってきた」と、エフゲニヤ・エメラルドさんは言う。彼女はつい最近まで前線で、狙撃手だった。
第2次世界大戦以降、女性の狙撃手というイメージは美化されてきたと、エフゲニヤさんは言う。その一方で、女性は狙撃手に適しているという評判には、現実的な理由があるのだとも話す。
「撃つかどうか、たとえ男ならためらうようなところでも、女は絶対にそんなことはしない。だからこそ、出産するのは男ではなくて女なのかもしれない」。生後3カ月の娘を抱きながら、エフゲニヤさんはそう言った。
31歳の彼女は2014年にロシアがクリミアを侵略したのを機に、軍事訓練を受けたが、入隊したのは2022年になってからだった。全面戦争が始まるまでは、宝飾品のビジネスを経営していた。
経営者としての経験を生かして、エフゲニヤさんはソーシャルメディアを精力的に活用し、多くのフォロワーを獲得した。そして、ウクライナの女性兵に光が当たるように活動している。
アンドリアナさん同様、エフゲニヤさんもロシアのメディアに「処刑人」や「ナチ」などと中傷されている。その私生活や、前線で戦う女性狙撃手としての日々について、ロシア語であることないことが膨大に書かれている。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-66436331()