NY高級マンション、最新トレンドは2つのプール−富裕層の争い回避
米ニューヨーク市内の高級マンションで暮らす富裕層にとっては、今や1つのプールだけでは物足りないようだ。
スペースが限られる同市の住宅市場でかつて珍しかったプールも、最近では多くのマンション購入者にとって必須の設備となっている。こうした中、設備の充実を競い合う開発業者は、建物内に2つのプールを設置することで優位に立とうとしている。子どもの水遊びに使いたいという住民と、レーンを往復して泳ぎたいという住民の両方を満足させる狙いがある。
フィットネスセンターや子ども向けのプレイルーム、ヨガスタジオ、さらには瞑想スペースといった魅力的な施設を標準装備した高級マンションが市場にあふれる中、プールの増設は物件を際立たせる手段となっている。水温をめぐる住民同士の争いを回避することにもなる。マンハッタンの有名高級マンションの一部では、比較的低い水温を好むラップスイミング目的の利用者と、子どものために温かめの水温を好む親の間で争いが起こった。
こうした経緯を踏まえ、不動産会社リレーテッド・カンパニーズが手がけるウェスト・チェルシー地区の高級マンション「ザ・コートランド」は2つのプールを用意した。不動産関連サイトのストリートイージーによると、昨年終盤に入居が始まったコートランドの販売価格は、1ベッドルームの170万ドル(約2億4300万円)から5ベッドルームの2300万ドル余りまで幅がある。
「ぜいたくであることは間違いないが、今の高級住宅物件で提供できる次の目玉は何かということだ」と話すのは、リレーテッドのシニア・バイス・プレジデント、アンドリュー・オーチュリ氏。2つ目のプールは「多くの追加費用がかかるが、競合との差別化につながる」という。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-08/RZ2V2IT0AFB401?srnd=cojp-v2