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職場にいる「いるだけで雰囲気を明るくする人」と「雰囲気を悪くしてしまう人」の決定的な差とは
近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちがその門を叩いてきた「NSC(吉本総合芸能学院)」で本多氏が教えてきた内容をビジネスパーソン向けにアレンジした『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』をもとに、本多氏の仕事に対する考え方をお届けする。
● 「いるだけで雰囲気を明るくする人」と「雰囲気を悪くしてしまう人」の差
働いていると「職場にいるだけで雰囲気を明るくする人」もいれば、「雰囲気を悪くしてしまう人」もいます。
前者はどんな職場でも重宝されますが、後者はその逆でしょう。
違いに仕事の能力にはそこまで差はないにもかかわらず、人間関係のところではどうしてここまで大きな差が出てしまうのでしょうか。少し見ていきましょう。
「雰囲気を悪くしてしまう人」のほとんどは悪い人ではありません。もちろんかなり性格が悪い場合や、意図的に相手を傷つけてやろうと考えるような人もたまにいますが、こういった人は別ですので、今回は除外します。こういった人を除いて、空気を悪くしてしまう人はほとんどの場合、自覚がありません。
かつてNSC(お笑い養成所)でこんなエピソードがありました。とある生徒がいて、その生徒は同期のなかでも優秀でした。しかし、その生徒は芸事の調子は良いものの、同期との人間関係ではあまりうまくいっていなかったのです。
本人曰く、「仲良くしたいのになんかうまくいかない」ということで、ある日、相談を受けました。ひと通り話を聞いた後、後日、別の生徒に「あの子からこんな相談受けたんだけど、どうなの?」聞いたところ、「仲良くしたいですよ!」と開口一番に返ってきたのです。
● 人間関係がうまくいなかい原因はどこにあったのか
詳しく話を聞いてみると、その生徒は「ネタのときは楽しそうなのに、話しているときは無表情だから、僕らといてもつまらないのかなと思って話しかけづらいんです」と答えてくれて、私はハッとしました。
本人にそのことを伝えると、「そんなつもりなかった...!」と、そこではじめて自覚したようでした。以来、その生徒は自分の弱点を克服して同期の中心人物になるような人気者になりました。
つまり、問題はまわりの生徒にあったわけではなく、本人の対応にあったのです。
このことからもわかるように、無意識に空気を悪くしてしまう人は、他人の言動に対して適切な反応を取れていないことが多くあります。「自分は反応しているつもり」でも相手からすると「つまらなそう」に見えてしまい、雰囲気を悪くしてしまうのです。
コミュニケーションとは相手に伝わってはじめて成立するものですから、「やっているつもり」「伝えているつもり」では意味がないのです。
ときには相手に伝わるようにオーバーリアクションをしたり、しっかりと言葉にして伝えなければいけません。
優秀な人でもこのようなシンプルな人間関係で損をしてしまうことは多いので、頭の片隅に入れておいていただけると幸いです。